結論
自己分析とは言語化すること
自己分析とはなにか、すぐに即答できますか?
大学生にとって、自己分析という言葉はよく聞く言葉ですが、いざそれを言葉で定義しようとすると難しいものですし、それを理解していないのに自己分析なんて始まりませんよね。
最初に結論を言うと、自己分析とは、自分を言語化することです。
言語化と聞くとちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、そんなに難しい話ではありません。
自分の過去を振り返り、そこからなにを感じ取ったのかを整理し、自分の口で説明できれば大成功なんです。
特に大事なポイントは、自分が過去に経験したイベントを、ただ単純にリストアップするだけではダメということ。
自分の口で説明できる、という部分が一番重要なんです。
もちろん、大学生はもちろん、社会人でさえもそれを今すぐに簡単にできる人なんていませんが、この記事を最後まで読んでもらえれば、その答えがしっかり見つかるはずです。
自己分析は意味ない?
自己分析は意味ない、という声を聞いたことはありませんか?
実は、自己分析ができている人とそうでない人との差は、面接ではっきりと違いが出るんです。
つまり、書類上では見えてこない違いが、面接という人と人との会話にははっきりと出てしまうんですね。
それが就活の面接であれば、採用、不採用に直結します。
ありきたりなテンプレや、準備してきた作文をしゃべっても、百戦錬磨の面接官には一発で見抜かれてしまうからなんですね。
自己分析は意味がないなんて決めつけてしまうと、最後の最後、いざ就活の面接になって、落っこちてしまうのです。
もちろん、自己分析ができている人なら必ず希望の企業に採用されると決まっているわけではありませんが、少なからず、最初に弾かれるような大学生にだけは、なりたくないですよね。
大学生はみんな同じ
これから自己分析を始める人も、やり始めている人も、いざ自己分析をやってみると、思っていたよりも難しいもの。
これまでの人生を振り返ってみても、大きなイベントといえば部活やサークル、受験やアルバイトくらいなものですよね。
でも、それでいいんです。
日本には約300万人の大学生がいますが、日本に生まれ、義務教育を経て、大学生になっていく過程で経験することなんて、部活やサークル、受験やアルバイトくらいなものなんです。
もちろん、海外で生まれ育った帰国子女のように、周りの人とちょっと違う、ちょっと羨ましく見える人がいるのも事実です。
でも、そんな差はあまり関係ないのが、また就職の事実なんですね。
自己分析のスタートは、みんな同じでいいんです。
最初に言った通り、差がつくのは言語化の部分だからなんです。
それなら、みんなスタートが同じなのになぜ自己分析できている人とそうでない人がいて、就活に成功する人とそうでない人の差がつくのでしょうか。
その違いをここから説明していきます。
自己分析できている人のパターン
過去・現在・未来が繋がっている
しっかり自己分析できている人の特徴の一つとして、過去・現在・未来が繋がっていることが挙げられます。
過去・現在・未来が繋がっているとは、過去に起こったイベントの結果として、今を考え、未来を考えているということなんです。
論より証拠、ちょっとイメージしてみてください。
例えば、自己分析を始めて、自分の人生を振り返ってみたときに、アルバイトの経験が思い浮かんだとします。
アルバイトが人生で一番楽しかった、あるいは、人生で一番苦労した、どちらでも構いませんが、アルバイトの経験が印象的だったのですから、自己分析でも、面接でも、それを語りたいところですよね。
でも、だからといって、「アルバイトをがんばりました」「アルバイトが一番大変でした」と言っても、相手に響きません。
なぜなら、それは過去の一点を語っているからに過ぎないからなんです。
では、これならどうでしょうか。
「アルバイトをがんばっていてお客様から喜ばれたことにやりがいを感じたので、今でもどうしたらもっと喜んでいただけるか考えていますし、将来もお客様の気持ちを意識しながら仕事をしたいです。」
アルバイトでやりがいを感じたという過去の体験と、それを今のアルバイトでも活かしていること、さらに未来の仕事に繋げていく意識があること、という3つの点が、一本の線で繋がっていますよね。
ほかにも、よく聞くネタの一つとして、「受験をがんばりました」というのもありますが、やはり過去の一点を語っているに過ぎないので、相手に響きません。
では、これならどうでしょうか。
「大学受験で目標を達成した体験をもとに、今でも目標を決めてその達成にこだわることが大切だと考え、将来も自分で決めた目標や与えられた目標の達成にこだわって仕事をしたいです。」
これも大学受験という過去の体験と、それを活かした目標に対する今の考え方、さらに未来の仕事に繋げていく意識があるということ、という3つの点が、一本の線で繋がっていますよね。
このように、自分の過去を振り返ると同時に、今と未来を意識してみる、今と未来を繋げてみる、という捉え方をすると、自分も相手も納得させられるようになるんです。
長所と短所が繋がっている
自己分析を始めた人にとって、長所と短所もなかなか思いつかないことの一つですよね。
その理由は、長所と短所を別々に考えているからなんです。
でも、自己分析ができている人って、長所と短所も繋がっています。
ちょっと考えてみてください。
例えば、自分の短所として、プレゼンが苦手、ということを思い浮かべたとします。
人前で注目されながらしゃべるのが得意な人なんて、そんなにいませんよね。
でも、それを自分の短所と捉えるだけでは、相手に響きません。
自分はプレゼンが不得意だからそれを短所と捉え、少なくともプレゼンの準備には手を抜かないように工夫をしたことで、不得意な仕事にも前向きに捉えて挑戦したいと考えられるようになった。
ここまで考えられたら、短所がもう長所に繋がっていますよね。
長所と短所が繋がっているとは、こういうことなんです。
自分と相手が繋がっている
自分と相手が繋がっている、これは多くの大学生が見逃しがちな視点なのではないでしょうか。
特に就活のために自己分析を始めた人にとって、その目的はあくまでも自分がその就職に成功することであり、そのために武器となるアピールをしたくなる気持ちもわかります。
でも、その考えだから、失敗するんです。
自己分析は、自分のためという視点とともに、相手のためになっているかどうかという視点も忘れないでください。
具体的には、例えば、自分は技術職に興味があるのに、相手からは営業職を求められているような場合です。
自分の希望と相手のニーズがマッチしていませんよね。
これでは、最初から営業職を希望している人に負けてしまいます。
そこで冷静に、技術職が得意な理由をアピールしつつ、その意欲を営業職に活かして、誰よりも技術職の知識を持って営業の仕事で貢献したい。
このように相手のニーズに歩み寄っていくことが、ほかの人との差別化に繋がるんです。
最初はマッチしていなかった双方のニーズが、言葉をちょっと変えるだけで見事にマッチしていますよね。
もちろん、これで必ず採用されるとは限りませんが、少なくとも、可能性がぐっと上がることは一目瞭然ではないでしょうか。
まとめ
なにから始めるか
ここまで読んでくれたあなたは、もう、自己分析を始める準備が出来上がっています。
ここからは、ごく普通に自己分析を始めてみればいいんです。
具体的には、いわゆる棚卸しからスタートするのがベターです。
世の中には、自分史、マインドマップ、ジョハリの窓、ライフラインチャートなど、便利なツールが無料で提供されているので、それらを活用して過去を振り返ってみるんです。
一通りのイベントをリストアップしたら、そこからが深掘りです。
深掘りとは、自分でピックアップしたイベントに対して、なぜそれを選んだのか、自分で自分に質問をしていくんです。
例えば、人生で一番がんばったこととして、アルバイトを挙げたとします。
そこに、「具体的になにをどうがんばったのか?」「その経験を今どのように活かしているか?」「その経験を将来どのようにさらに伸ばしていけるか?」というように、自分が面接官になったつもりで、なぜ?なぜ?と自分で自分に質問していくんです。
これをちょっと意識してみるだけで、自己分析の質が一気に深まりますし、ほかの大学生と差をつけられるんです。
どこまで自己分析すればいいのか
自己分析をできるようになっても、ここで大きな疑問が沸いてくるのではないでしょうか。
それは、どこまで自己分析をすればいいのか、という疑問です。
最初に結論を言うと、自己分析に、終わりはありません。
就活中もずっと自己分析を続けるべきですし、就職が決まっても続けるべきものなんです。
もちろん、大学生にとっては、就活仲間やOB/OG、就活エージェントといったサポーターが周りにいるので、たった一人で悩んでしまう必要はないかもしれません。
それで就活は乗り切れるかもしれません。
でも、いざ社会に出て、転職をする場面になったときに、それらのサポーターはあなたの周りにいないんです。
結果的に、自力で自己分析をできている人が、自分の人生の転機によりよい選択ができるんです。
今から練習しておかない手はありませんよね。
自己分析の捉え方
ここまで、自己分析のやり方にフォーカスして解説してきましたが、最後に一番大切なことを言います。
それが、自己分析による結果を、全てだと思わないということです。
言い換えるなら、一生懸命に時間をかけて工夫をして自己分析をした結果、それでも就活で上手くいかなかったときに、それを自分という人間が劣っていると考える必要はないということなんです。
事実、就活の過程で選考から漏れる理由として、ただ単純にその企業の社風に合っていないとか、面接官の裁量だとか、ほんのちょっとした運のようなもので左右されてしまうことが往々にしてあるんです。
だって、よく考えてみてください。
例えば、あなたの目の前に、初対面の大学生が100人いるとします。
その100人の大学生の中から、一番仕事のできる人をたった一人選んでくださいと言われたら、どうやって選びますか?
はっきり言って、百戦錬磨の面接官でさえ、それは至難の技なんです。
言い換えるなら、その選考から漏れてしまった99人が、採用されたたった一人の学生よりも劣っているなんて言えないんです。
選考から漏れることは、自分が否定されることではありません。
自分自身のことを、自分の口で語れたらそれで100点満点なんです。